食料の調達(海編)

・釣り
・魚突き
・罠
・いざり漁

漁や道具の種類、名称を正しく理解しよう

沖縄の無人島での実際での注意点

魚介類を獲るには一定の制限が加えられたり禁止されている場合がある。

・釣り針や銛で周りの人にケガのないように距離を保つ
・特に銛を使用する場合は全方向の確認を怠らない
・小さい魚は捕獲しないようにするかリリースする
・禁漁時期の獲物は獲らない
・魚貝類だけでなく海藻類なども栄養になるので食べれるものか知識を持つ。
・海藻は暑さに弱いので真夏はあまり採れない(もずく、いばらのり、アーサ)
・食べられる分だけ捕獲する
・調理するまで傷まないように保存する(魚は活かしておくか、その場で内蔵を取り除く)

海での食料の調達は危険がいっぱいです。正しい知識を身に着けて、しっかりと対策をしてから入ってください。日焼けや外敵から身を守るためにもラッシュガードやウェットスーツ、手袋の着用をしっかりしましょう。
シュノーケルをするときに曇って視界が悪いという事が無いように、洗剤や曇り止めでマスクの準備をしましょう。

釣り

道具には色々あるが、竿、針、糸、おもり、浮き、リール、餌など釣り方によって道具を選ばなければならない。

竿
竹や柳、よくしなるものがいい

釣り針
木や骨、空き缶のプルタブ、釘、安全ピン、針金で釣り針を作る

エサ
ヤドカリ、ミミズ、ソーセージ、魚の切り身、貝

ルアー(疑似餌)
瓶ビールの蓋や缶詰の蓋、スプーン、ビニールなどの先に針をつける
キラキラしたものに魚は寄ってくる

釣りはゴミが多く出るので風で飛ばされたり、置いてきたりしないように気をつけましょう。

魚突き

銛(モリ)を使った漁はしっかりとした道具がなかったり、慣れるまで効率がとても悪いが、慣れると獲物を選べるし、かなり楽しめる。
陸の上から突く方法と泳いで突く方法がある

モリを自作する場合は

  • 魚に刺さりやすいように先端を尖らせることと魚が暴れて逃げないように返しなどの仕掛けが必要である。(ステンレス、鉄、木等)
  • 水の抵抗が少なく丈夫な棒を選ぶ(竹、アルミ、カーボン等)
  • 持ちての部分に強力なゴムを輪にして取付ける(自転車タイヤのチューブなど)

ゴムに指を引っ掛けて、ゴムを伸ばした勢いでモリを飛ばして魚を突く

笹竹を沈めて魚を一気に獲る
束ねた笹竹を、魚は安心な寝床と思って集まってくる。魚の習性を上手に利用した漁
一晩沈めて朝一気に引きあげると小魚やウナギ、さまざまな魚が笹の葉から出てくる

ガチンコ漁
大きな石を岩などにぶつけると、その衝撃のショックで魚が気絶して浮き上がってくる

網を仕掛ける
漂流している漁網や布などを直してカニ網や刺し網などの仕掛けを作る

潮の干満使うカチ ( 魚垣 )漁法
遠浅の海岸に大小の石を積み上げ、馬てい形や半円形の長い堤を築く。満潮時、海水がこの石積みを越えて囲いの内側に入ると、魚群もここに導かれる。干潮になり、海水が引いた囲いの中に取り残された魚を網ですくったり、手づかみでとったりする

潮の干満使うカチ ( 魚垣 )漁法

潮干狩り、イザリ、干潟、浅礁

干潟(ひがた)
海水が満ちたり引いたりする、平たい海の浅瀬を干潟と言います。

干潟には沢山の生き物がいるから食料を手に入れやすい。
干潟は傾斜がないので、あっという間に水位が高くなるので水位が上がってきたら急いで上がりましょう。

イザリ(「漁り火」の略)
伝統的な漁法
イザリは潮に合わせて行くので、大潮の潮が引くタイミング(干潮時)を狙う。
昼間の干潮時も色々な生き物がいるが、夜にライトや火を持って行くことで獲物を獲りやすい
新月より満月のほうが明るくて見やすいが新月のほうが獲りやすい獲物もいる。

手づかみ
1番簡単で確実な方法
浅瀬や岩や石の下で休んでいる魚に忍び寄り手を入れて捕まえる

食料の調達(植物)

毒素を含んでいる可能性が高い植物の特徴

・乳液状または、変色する樹液を出すもの
・マメ、球根、萊の中に種子を持つもの 
・苦味または石鹸のような味がするもの
・針、多毛、棘を持つもの
・木部と葉にアーモンド臭を放つもの
・桃色や紫色、または黒い突起を穂にもつもの
・3枚組の葉を基本にして茂るもの
・キノコ類はよほどの自信がない限り食べてはいけない

刃物(ナイフ類)を使用する際は自分にも周りにも気を配り、お互いケガのないように注意して使用してください。

無人島で見つけた食べられる野草

食料の調達(狩猟)

狩猟は基本的に厳しい決まりがあるので出来ないことも多いのですが、無人島に漂流したり、災害時などに生き延びるためなら必要な知識になります。

鳥類、蛇、ネズミ、ウサギなどいざとなったら捌ける知識が必要です。

ネズミ
サバイバル食の中では比較的ポピュラーな食材
くくり罠、バケツやドラム缶を使った落とし穴などで捕まえて殺して
頭を落とし皮を剥ぐ、次に内臓を取り除き、あとは丸焼きにする
食べてる餌により臭かったりするが、沖縄の無人島で獲れるネズミは比較的臭みが少なく蛋白な味

ウサギ
すばしこいので、罠での捕獲が簡単で確実である
ウサギの通り道を見つけ、罠を仕掛ける
巣と草を食べに来る場所の中間などに長い網を張って紐を引くと網がかぶさる仕掛けや、くくり罠、落とし穴などで捕まえて、逆さまに吊るして、しっかり血抜きをして、内臓を取り出し、皮を剥ぐ
焼いて食べたり、スープにする

ヤシガニ
ヤドカリの仲間だが、身が多い
陸上生活をする節足動物しては、地球上最大種ともいわれており、体長は3~40cmほどにもなり、脚も含むと1mを超える個体もいます。体重が4㎏ほどにもなる貴重なタンパク源
夜行性のため昼間はアダンの木の下や枯葉の下や岩場などに隠れている。夜間にアダンの木の周りを探す。
捕獲時には強力なハサミに気を付けて下さい。
塩湯がきで身を食べるか、みそ汁などの汁料理で食べる。

ハブ(蛇)
蛇は良質なタンパク源である。
白身で蛋白だが個体によっては臭みがきつい
捕獲時に噛まれないように注意する。特にハブは凶暴で飛びかかってくる。猛毒なので知識なく捕まえようとせず、逃げるのが懸命であるが、無人島では貴重な食料であるために捕まえる
牙の毒に気をつけながら、頭を落とす。このとき尻尾だけを持って頭を落とそうとするとハブが暴れて危険なので必ず首根っこを強く抑えて頭を落とす
腹を割いて内蔵を取り、水でよく洗い革を剥いてから、焼いても、揚げても、スープでもいい

狩猟の最も本来的な目的は、食料や物資といった人間の個別集団の生活に不可欠な必需品を野生動物から獲得することにある。その目的となる食料や物資の典型例は、肉・皮革・油脂・羽毛・骨・牙である

狩猟には一定の制限が加えられたり禁止されている場合がある。

狩猟の目的

食糧の獲得

様々な物資の獲得

野生動物管理

狩猟の方法

・猟銃、クロスボウ、吹き矢、弓矢、トリカブトの毒矢、スリングショット
・罠、ワイヤー、ククリ罠、箱罠、囲い罠(天井を持たない箱罠)、箱落とし(さん木を備えるもの)、筒型イタチ捕獲器、とりもち
・鷹狩、犬狩
・網、むそう網、はり網、つき網、なげ網

ウサギのさばき方

後ろ足を木などに縛る
首を切り落とし血抜きする
腹を指で摘んで内臓を傷つけないように中心辺りに穴を開ける
(内臓を傷つけないように気をつける)
皮をつまんで胸部の辺りまでナイフで切る
穴の周辺皮を引っ張って穴を広げて指で左右に強く引き裂く
内臓が全部露出するまで大きく腹を裂いて内蔵を取り出す
よく切れるナイフでウサギの四肢を関節から切断する
腹から手を入れて皮と毛皮を肉から丁寧に剥がしていく

食料の調達(昆虫)

昆虫食

カミキリムシの幼虫
真っ白い虫でクリーミーな食感と言われています。
採取方法は、雑木林や森林で朽ちた木や、竹の中に居る事が多いです。
朽ちた木であれば斧やナイフ等で木を削り、幼虫を掘り起こします。
食べ方は、焼いても食べれますし、煮ても食べれます。
臭みも少ないので、匂いを消す必要も無い為素材だけの調理で十分に美味しく食べれます。

セミ
アブラゼミやミンミンゼミ等様々な種類が居ますが大体は食料になるので、見つけたら捕獲しましょう。
昆虫食の中では美味しい。
食べ方はサバイバル時には焼いて食べるのが普通ですが、素揚げで食べると非常に美味とされています。

セミ

カブトムシの幼虫
カブトムシの幼虫は、余り美味しいと言える虫では有りません。
臭みが強く、特にお尻の黒い部分を処理していないとかなり臭く、吐き出してしまう事も有ります。
下処理として、お尻の黒い部分を切り取りってから焼いて食べる。
2,3日ほど何も食べさせないでから調理すれば更に臭みが消えます。

クワガタの幼虫
生態がカミキリムシの幼虫と似ている為、朽ちた木などから見つかる事が多いです。
カブトムシの幼虫と違い余り臭みが無く美味しい部類の幼虫。
ただし地中で見つけたクワガタムシの幼虫は、臭みが強いのでカブトムシの幼虫と同じように下処理をしましょう。

ミミズ
釣りの餌にも使えるので、通常時よりも緊急時に食すのが良いでしょう。
調理方法は、ナイフで開きの状態になるように割き中の土を取り除きます。
軽く水で洗い、焼いたり煮たり火をしっかり通してから食べる
ただしミミズは住む場所によって味や匂いが変わる事が多々有るようで、本当の緊急時のみ食べる事をオススメします。

蜘蛛
ジョロウグモ等の大型のクモであれば食べごたえも有り、柔らかく美味しく食べれます。
捕獲も比較的容易で、巣を貼っているクモは人間が来てもすぐには逃げません。
調理方法は焼いたり、揚げたりするのが良いでしょう。
特にから揚げにした場合は、足までパリパリで美味しい。

女郎蜘蛛

ムカデ
気持ち悪いし、美味しくない。苦味が強い。
頭に毒を有する為、頭を切り取ってから直火で焼いて食べる。
中国では漢方薬として、乾燥させて粉末にしてから飲み薬にしている

トノサマバッタ
イナゴはイネ科を食べるため稲藁みたいな匂いだが、トノサマバッタは茹でるとトウモロコシみたいな香ばしく甘い香り。
大きいので食べ応えもあるためイナゴよりも評価が高い。
揚げたり、焼いても美味い

食料貯蔵

燻製
木を燃やした煙で食べ物を乾燥させる方法
煙に含まれている防腐成分を食べ物に浸透させて保存性を高める
※内臓腐りやすいのでは処理する

天日干し
食物が腐るのは湿気と、湿気を好む細菌のせい。晴れた日に太陽の下に食べ物を干して水分を取り除き貯蔵する方法
魚は2枚に開いて、海水で洗い、海水に30分ほど漬けて3時間くらい干せば干物ができる
保存性を高めるには塩を振ってから全体が固くなるまで干す
※内臓、エラは腐りやすいので処理する
肉は脂身部分をなるべく取り除き、海水で一晩漬け込み、天日で全体が固くなるまで干す

発酵
発酵は、酵母、もしくはカビ類の微生物が出す酵素により食品がアルコール類、有機酸類、炭酸ガスなどを発生して消化されやすくなり、それによって食品に複雑な味を与えるものです。発酵させることによって保存性、風味、香りが高くなり、遊離アミノ酸(グルタミン酸、タウリン等)を生じて消化吸収がよくなります。
代表的な発酵食品 漬物、チーズ、納豆、キムチなど
発酵と腐敗の違い

  • 発酵:糖類が分解されて、乳酸、アルコールなどが生成されること
  • 腐敗:タンパク質、アミノ酸などが分解され、硫化水素やアンモニアなどの不快臭を生じること

塩漬け
魚や肉を塩に漬けて保存する方法
塩の特徴を利用して細菌の繁殖を止め、腐らなくする
塩を大量に使うのが難点

魚の塩漬け

  1. まず魚の内蔵を取る(内臓を使ってもよい)
  2. 次に容器に塩を敷き詰め、魚を敷き詰めてさらに塩で蓋をする。
  3. 量が多い場合は、これを数段繰り返す。
  4. なるべく直射日光や暑さを控え、密封保存しておき、水分は別の容器にとっておく。この水分を熟成させたものは魚醤として様々な料理につかえる。
  5. できあがった塩漬けは水分を取り除きつつ、数か月~1年程度熟成させる。
  • 基本的に食料の保存は気温が低い方がいい
  • 冷蔵庫の中に近い状況を自然の中で作ることである
  • 川など冷たい水や湧き水がある場合は水中で保存できるが、沖縄の海のように水温が高いと保存できない
  • 林の中や洞窟の中、木の陰などの熱くならない場所の地中を掘り、石で周りを囲んだ石室を作って保存する

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