無人島でのケガは命取りになる

いつどこで事故が起きるか分からない
無人島には医者もいないのだから、小さなキズやケガでも、治療を行わず油断していると症状が悪化し、動けなくなってしまい命取りになる場合もある
無人島で「119番」通報しても救助が来るまで時間がかかるし、通信もできず、救助も来ないかもしれないので救急法を身につけること

応急処置

応急処置の目的は
「救命」
「苦痛の軽減」
「悪化防止」

ケガ人や急病人がいる場合、先ずは、落ち着いて様子を観察すること
自身がケガや病気の時も同様だ

  • 出血しているか
  • 意識はあるか
  • 呼吸をしているか
  • 脈はあるか
  • 痛がっている箇所はあるか
  • 二次災害の危険はないか

「止血」「人工呼吸」「心肺蘇生」などの的確な応急処置をし、同時に救急「119番」や医療機関に通報するなり、大声で助けを呼ぶ
無人島では助けが簡単に来ないので、落ち着いて、冷静な行動をし、力強くケガ人や病人を励ますことが大切だ

無人島での心肺蘇生法

  1. 意識の確認
    倒れている人がいた場合に、まず行うべきことは意識の確認
    「大丈夫ですか?」と、軽く肩をたたきながら声をかける
    反応がなければ、周りにいる人に助けを求める
    119番通報をお願いする
    他に誰もいなければ、自分で119番通報
  2. 気道の確保
    呼びかけに反応しない場合は、呼吸をしていない可能性がある
    そこで、空気の通り道、つまり「気道」を確保する
    これは、息をしていない原因が、気道が舌や異物によってふさがっている可能性が考えられるから
    相手を仰向けに寝かせ、片手で額を押さえながら、もう一方の手の指先を、相手のあごの先端の硬い骨の部分にあてて持ち上げる
    そうすると、相手の顔がのけぞるような姿勢になり、あごの先が持ち上がる
    この動作によって、のどの奥をひろげ、空気を通りやすくなる
  3. 呼吸の確認「見て、聞いて、感じる」
    気道が 確保できたら、呼吸をしているかを確認
    ①呼吸に よって胸が動いているのを「見る」
    ②耳を相手の口元に近づけ、呼吸している音を「聞く」
    ③自分の肌で、息が吹きかけられるのを「感じる」
    この3つ、「見て、聞いて、感じる」方法を使って、呼吸の有無を確認する
    これは約10秒間かけて確認
    ※もしも息をしていることが確認できた場合は?
    相手を注意深く観察しながら、救急隊の到着を待つ、直ぐに助けが来ない場合は安全な場所に移動させる
    必要に応じて、横向きに寝かせて、嘔吐して者をのどに詰まらせることを防いでおくとよい
  4. 人工呼吸を2回
    気道を確保しても呼吸が確認できなかった場合は、人工呼吸を行う
    相手の気道を確保する向きをとらせたまま、口を大きく開き、相手の口を覆って密着させ、ゆっくりと息を吹き込みむ
    この際、吹き込んだ息が相手の鼻から漏れ出さないように、額を押さえているほうの手の親指と人差し指で、患者さんの鼻をつまんでおく
    息は、相手の胸が上がるのが見て分かる程度の量を、約1秒間かけて 吹き込む(横目で、胸がちゃんと上がっているかを確認しながら息を吹き込むことがポイント)
    吹き込んだら、一旦口を離し、相手の息が自然に出る(このとき胸が下がります)のを待ち、もう一度、口で口を覆って息を吹き込む
  5. 胸骨圧迫を30回
    人工呼吸を2回行った後、ただ ちに「胸骨圧迫」の手技に移る
    圧迫を行う位置は、両方の乳頭を結んだ線の真ん中(この下に心臓がある)ここを圧迫すると、一番有効に心臓に力を加えることができる
    この位置に、一方の掌の基部(手首に近い、いわゆる「ほっぺた」の部分)を胸が4~5cm程度沈むまでを目安に強く圧迫する
    30回の胸骨圧迫が終わったら、また人工呼吸2回を行う
    このようにして、胸骨圧迫:人工 呼吸=30:2の割合で続ける

切り傷

切り傷の処置で大切なのは、止血と感染の防止です。以下の順番で手当を行う

1)きれいな流水で傷口を洗う
まずはきれいな流水で傷口を洗い、ばい菌による感染防止を行う
また、血や汚れが付着していると、不潔なだけでなく、傷の状態を正確に把握できない
その後の処置のためにも、傷口はきれいにする

2)消毒液で傷口を消毒する
消毒液があれば、ばい菌による感染防止のために消毒液で傷口を消毒する

3)止血をする
手っ取り早いのは手で押える
出血が多い場合、滅菌ガーゼや清潔なハンカチなどを直接傷口に当て、強く圧迫する
手にビニール袋などを被せて圧迫すれば血液感染の防止になる
静脈性出血、毛細血管出血は、ほとんどこの方法で対処可能
出血が激しい場合は傷口を心臓より高く上げて保持する

大出血の場合

出血が多い場合は、とにかく止血が重要
全血液量の3分の1の出血で危険な状況

全血液量
体重の13分の1
体重70キロの人だと約5.3㍑

止血法

大出血している場合、「直接圧迫止血法」(出血している部分に清潔なガーゼやバンダナを直接当て、手で圧迫)をする
※薄い布は折って、厚くして使うとよい
さらに、傷口を圧迫しながら包帯をすればより効果的

これでも止まらない場合は、その上からさらに強く包帯や三角巾で圧迫包帯する

それでも止まらない場合は、「指圧止血法」(出血部よりも心臓寄りの動脈を探し、手や指で血管を骨に向かって強く圧迫する)

傷がひどく、「直接圧迫止血法」「指圧止血法」をとっても血が止まらないときは、「止血帯法」(傷口より心臓に近い側を紐やロープ、包帯で結び、結び目に棒を差し込み、血が止まるまで回転させ圧迫)をする

「止血帯法」の処置を開始した時刻を必ず身体に記入する
救助に時間がかかる場合は締め上げた棒を時折緩める(出血より先の部分の組織が壊死してしまう)

骨折

骨折の可能性がある
・ケガをしている箇所の腫れがひどく、痛くて動かすことができない
・ケガをしている箇所が不自然に変形している

無人島での骨折は、その後の行動全てに影響がでる
命に関わることもあるので、手当や固定法を覚える

骨折したときの応急処置

  1. 骨折した状態のまま固定する(ケガしている部分が動かないように)
    ※副木は、骨折している部分の前後にまたがるもので、強度のあるものを選ぶ
  2. 骨折部分から出血している場合は、「止血法」を行ってから固定する
  3. 移動する時は骨折部分が動かないように副木で固定して静かに動かす

副木(そえぎ)
骨折箇所を固定するための木など
骨折箇所の前後にまたがるもので、強度のあるものがいい
板や枝、ダンボール、テントのポールや丸めた雑誌、割り箸などでもいい

無人島(陸上)での病気・ケガ 救急 119番

携帯電話が通じる陸上での救急は「119番」
無人島であれ陸上ならば「119番」です
救急隊員の支持に従い分かりやすく安全なところで留まること

海の上での事故・ケガ 海上保安庁 118番

海難事故など海上での事故は海上保安庁118

世界共通!遭難信号「SOS」

手を振っただけでは「助けて」か「さよなら」か分からない

モールス信号
無線信号だが、ライトの点滅や笛、光の反射(鏡やCD)などでも伝えられる
ト・ト・ト・ツー・ツー・ツー・ト・ト・ト

煙3本でも「SOS」救難信号になる
タイヤや生木を燃やして、煙を3本上げれば「SOS」信号になる
どの位置からも煙が3本上がっているのが分かるように間隔をしっかりとあけて煙を出すこと

いざという時のための「ファーストエイドキット」

無人島では救助が遅くなるので、必ずファーストエイドキットは持つべきだ

消毒液三角巾ガーゼ絆創膏
包帯包帯留めサージカルテープ綿棒
ハサミナイフピンセット安全ピン
瞬間接着剤ビニールテープアドレナリン注射日焼け薬
体温計虫除けスプレー目薬抗ヒスタミン軟膏
除菌用ティッシュ下痢止め痛み止めテーピング

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