熱中症対策

人間は急に暑い環境に入ると慣れるまでに3〜4日かかるので要注意

・水分をこまめに補給する(最低1日2リットル)
・塩分を補給する(スポーツドリンク塩飴玉など塩分を含むもの)
・直射日光を避ける(帽子や長袖シャツ、通気性の良い服装)

熱中症の症状

熱中症になると、頭痛、吐き気、倦怠感、めまい、筋肉の痙攣、呼びかけに反応しない、などの症状が現れる

また、汗が止まらない、もしくは暑いはずなのにまったく汗をかかないなど、汗のかきかたに異常がある場合にも、熱中症にかかっている危険性がある

熱中症への対応

症状や重症度に関わらず、熱中症が疑われる時には涼しい場所へ移動し身体を冷やすことと、水分を速やかに補給する必要がある

・安全で涼しい所へ移動させる
風通しのよい涼しい日陰へ移動させる
このとき、自分の足で歩ける状態でもめまいや立ちくらみ、一時的な失神によるふらつき、転倒に注意し、頭を打つなどの2次被害を防ぐために、気をつけて移動することや、支えることが大切
・横になって休ませる
顔が青白い場合は足を10cm程度高くすることで心臓への血流がよくなって血圧が上がり、脳への血流を改善させる効果が期待できる
顔が赤くのぼせているときは、頭を10cmほど高くしてあげる
・衣類をゆるめる
衣服を脱がせたり、きついベルトやネクタイ、下着はゆるめて身体から熱を放散させる
・冷やす
露出させた皮膚に濡らしたタオルや冷水をかけて、うちわなどで扇ぐことにより体を冷やす
氷のうなどがあれば、それを首の両脇、脇の下、大腿の付け根の前面に当てて皮膚のすぐ近くにある太い血管を冷やす

メモ:水分補給を行う

スポーツドリンクや0.1〜0.3%の濃度の食塩水(1㍑の水に対して1〜2gの食塩を加えたもの)自分で飲んでもらい、体内から失われた水分・塩分を補う

海水のおおよその塩分濃度は3.4%。 海水100gの中に塩が3.4gほどふくまれている、ということになる
海水を真水で10〜20倍に薄めたものでもよい

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日焼け

日焼けが起きると、皮膚は赤くなって痛みを感じる
重度の日焼けでは、皮膚が腫れたり、水疱ができたりすることもある
症状は紫外線を浴びて1時間という短時間で現れ始め、典型的には3日以内にピークに達し、重度の日焼けが起きると、発熱、悪寒、脱力などの症状が現れる場合もあり、まれにショック状態に陥る場合もある

日焼けを予防するには、強い直射日光にあたらないようにすることが大切
明るい真昼の日光を浴びる場合は、最小限の時間に抑える
紫外線は早朝と夕方はそれほど強くない
日光を浴びざるを得ない場合は、なるべく早く日陰に入る、紫外線保護機能のある衣服を着る、日焼け止めを塗る、帽子をかぶる、紫外線をカットするサングラスをかけるなどの対策を講じる

水は紫外線をあまり遮らない

したがって、雲や霧もフィルターとしての役割をあまり果たさないため、曇りの日や霧の日でも日焼けが生じる
また、雪、水、砂は日光を反射するため、皮膚に届く紫外線の量が増加する
また海抜の高い地域(大気が薄いために多くの紫外線が皮膚に到達する)や緯度の低い地域(赤道など)でも、日焼けがより急速に発生する

体温管理

体温が低いときは多量の食料を原料にしてホルモンによって体温産生を行い、熱が高いときは発汗するためにエネルギーと水分・塩分を必要とする
こうして人間は深部体温を35℃から41℃までの範囲で維持するが、この範囲を外れると自己復温ができず死亡する

人間は、暑くても寒くても、何℃まで生きていられますか?

人間は、今のところ気温が-50℃から+50℃の間なら生きていられると知られている
ただし、衣服、食料、水分、塩分が豊富に利用できる環境が必要
無人島のような場所では気温が高くても熱中症や熱射病で具合が悪くなったり、死ぬこともあるし、気温が低くて低体温症などで死ぬこともある

低体温症とは

医学的な「低体温症」とは、救急医学会の「偶発性低体温症」の定義では、体の中心部の温度が35℃以下の場合をいいう

海に落ちることや、雨などで体がぬれた人たちの間で多く起こり、山での遭難でもよく起こります。いずれも寒さと風で体熱が奪われた結果、体温が異常に低下することによって起こる

低体温症の原因

  1. 寒冷環境:寒い環境
  2. 熱喪失状態:体熱が奪われた状態
  3. 熱産生低下:体内でつくられる熱の量が少ない
  4. 体温調節能低下:体温を調節する体の仕組みが低下している

偶発性低体温症が起こる状況

  1. 睡眠薬や鎮静薬を服用
  2. 酒での酩酊(急性アルコール中毒)
  3. 飢餓
  4. 特殊な病気(低血糖・中枢神経障害など)
  5. 上の1~4の条件が重なった場合

体温の低下の程度による症状のちがい

体温が35℃まで低下すると「寒冷反応」が起こる

体温が下がり始めたときの体温調節は、おもに体の震えと皮膚血管の収縮(鳥はだなど)により行われる
体温が35℃まで低下すると多量のカテコラミン(緊急の際に生体を活性化させる物質)の分泌により、末梢血管が収縮し体熱の放散を防ぐとともに、筋肉が震えて熱を発生させる
これらは体温を上昇させようとする反応であり、「寒冷反応」と呼ばれる
寒冷反応が起こっている間は、酸素の消費量が著しく増大します。しかしやがて体熱の喪失が産生を上回ってくると、筋肉の震えは止まり、体温はさらに下がり、各臓器の機能も低下する

体温が30℃以下まで低下すると不整脈など心臓のトラブルが起こりやすくなる

体温が30℃以下まで下がると、心臓の血液を送り出す大切な部分である心室に、脈が不規則となる「不整脈」や、動きが不調となる「心室細動」が発生しやすくなり、これが命にかかわることも多い
不整脈とともに心臓から全身に供給される血液の量が減り、さらに手足のような末梢の血管が収縮することから、血液の流れが滞る「末梢循環不全」も発生する

呼吸をコントロールする神経の働きも悪くなるため、呼吸数やひと息に吸う空気の量も減少する
エネルギーや酸素の消費は体温の低下にしたがって減少し、とくに脳で消費する酸素の量は30℃で50%、25℃で25%に低下する
また体温が30℃前後から意識の障害が起こる
毛細血管の透過性が高くなり、血液成分のうち、水分やたんぱく質などが血管の外へ漏れ出すようになる
体内の老廃物が尿中に出なくなるため、より真水に近い「低比重尿」が増加する
また血液が濃縮されて粘度が高くなり、各臓器の血流量は減少する
肺水腫、腎不全、DIC(播種性血管内凝固症候群=全身の細い血管内に多数の血栓ができる病気)、肝不全、消化管出血などが起こり、多臓器不全を起こしやすくなる
このままの状態が続くと、やがて呼吸停止、心停止となる

真冬の海などでは寒さでのショック死、低体温症による死亡などあり得るので気をつける

低体温症対策

  1. 隔離 冷たいものからの接触をさける
    地面に敷物をしたり、風を除けたり、濡れた衣服は脱ぐ
  2. カロリー補給 何より体温を上げるエネルギーを補給することが大切
  3. 水分補給 体温が下がると利尿作用が働いたり、体内の水分バランスが変化し、脱水症状になる
  4. 保温・加温

食べ物や飲み物も重要ですが、人間にとって体温は凄く大切なこと

無人島では体温を維持できるように日除け、風よけなど、しっかりと体調管理につとめること

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